棒状のものはペニスの象徴。袋や箱のように内部が空洞のものは子宮の象徴。
ある日、列車が宙を舞う夢を見た。明らかに男根の象徴であるし、10代の夢としては特に特異な感じでもない。
しかし、何かが引っかかる。ビデオの早戻し再生のようにして仔細にその夢を脳裏に再生する。
龍の飛翔のようにくねくねとした列車はやがてこちらに向かい、俺の頭に襲いかかる。
視界はやがて列車の内部に移り、がらんとした無人の客席が嫌らしいくらいに一点透視法で映し出される。
空洞、空間、空虚。胎内に戻った懐かしさ。
「列車は、三つ扉となっております。」
これは子宮内部だ!
先頭車両がいまだにくねくねと満月に向かってのたうち回っている。
あたかも欲望のはけ口を求めるがごとく、くねくねと…背筋運動をする陸上選手のように…。
金属のきしむ音。
そりくりかえった男根。内部は空洞。両性具有。
性は混ざり列車となって魂の故郷へ向かう。
そんな夢を見た。