311以降、空を見上げる人が増えたような気がする。
来たるべく巨大地震を予知する意味での地震雲か、そうでないとか。奇妙な空の色だとか、雲の形だとか。
また、東日本大震災を人工地震と考える向きには、空は人口削減計画に基づくケムトレイルを発見するフィールドである。
エイリアン・ディスクロージャーという観点からUFOを見つける人もいる。
純粋に災害であれだけの人が命を落としたのだから、今生きている奇跡的な感覚から、空の、あるいはもっと先の宇宙に感心を向けている人もいることだろう。
バブル崩壊後、日本人は空を見上げる余裕もないくらいに酷使され、地べたに這いつくばってきた。
だから、311以降、本当の社会の姿を見てしまった人たちが空を見上げるというのは比喩的でもあり、神の導きのような詩的な雰囲気もある。
twitterのタイムラインを見るだけでも、相当数の空の写真を見る。
ソーシャルには空があふれている。
僕はそんな人たちを空を仰ぐ人(Skygazer)と読んでいる。
今まで見ていなかったものに目を向けている人という、リスペクトを込めた敬称だ。
彼らは空に、おそらく、未来とか、忘れていた愛情とか、あるいは空を鏡にして俯瞰して、己を、世の中を、地球を見つめ直しているのだと思う。