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キブツ

キブツ
ガンシュムエルキブツでのシャブオット(七週祭=ユダヤ教の収穫祭)、1959年

イスラエル中部にあるベイト・グブリンのキブツ

キブツは、イスラエルの集産主義的共同体。キブツとは元来ヘブライ語で「集団・集合」を意味する言葉である。

1909年帝政ロシアの迫害を逃れた若いユダヤ人男女の一群がパレスチナに渡り、最初の共同村デガニアをガリラヤ湖南岸に設立したのがキブツの始まりである。彼らは、自分たちの国家建設の夢を実現させようと願って、生産的自力労働、集団責任、身分の平等、機会均等という4大原則に基づく集団生活を始め、土地を手に入れ開墾していった。迫害のために世界各地からユダヤ人がこの地にやってくると共に、キブツの数や人口は増大し、学校、図書館、診療所、映画館、スポーツ施設などの建設もすすめられた。元来農業が中心であったが、現在では工業や観光業も営み、独立した自治体的な側面も有している。当初、生活のすべてが無料で保障されるとともに構成員の労働は無報酬であったが、現在では給与が支払われるようになっている。
(中略)
キブツはイスラエルの人口比率からすると考えづらいほど多くの軍指導者、知識人、政治家を輩出している。たとえば、初代首相ダヴィド・ベン=グリオン、女性首相ゴルダ・メイアなど。また、キブツの構成員がイスラエル人口の4%にもかかわらずイスラエル議会で議席の15%を占めていたこともあった。キブツの人口はイスラエル全体の7%を超えたことがない。しかし、イスラエル人にとっても、外国人にとっても、他のどのような施設にもまして、キブツはイスラエルを象徴するものとなった。現在、国境地域を中心に約270のキブツが存在し、それぞれのキブツの構成員は100-1000人、総人口は約10万人(2010年)。

キブツ – Wikipedia