ヘンプポポリンプペペンデリア

「ヘンプポポリンプペペンデリア」
「ヘンプポポリンプペペンデリア」
「ヘンプポポリンプペペンデリア」
「ヘンプポポリンプペペンデリア」

この数日誰もが口にして、その意味はようとしてつかめない奇妙な言葉に、村の住民たちは半ば諦めかけていた。
「ヘンプポポリンプペペンデリア」
ある朝、街路樹のひときわ目立つ太い枝にとまった九官鳥がそう鳴いた。いや、喋った。
「ヘンプポポリンプペペンデリア」
固唾を呑む公園のベンチの老人たちの前で次こう鳴いた。いや、喋った。
「永遠回帰」

老人たちは目の前に落としておきながら、見つけられずにいた老眼を発見したかのように歓声を上げた。

それから数日後、村を通りかかった旅人が市街地の役所の壁に貼られた奇妙な横断幕に目を留めた。
「アカデミズムの九官鳥ヘンプポポリンプペペンデリア。村に文化の黎明」

旅人は役所の向かいの公園のベンチの人のよさそうな老人に九官鳥の経緯を聞いた。
旅人には、この村の住民たちが生きる哲学ということを知らなすぎて、九官鳥のしゃべる難しい哲学用語に酔いしれて、人生を省みるようになったのだということがおぼろげに想像できた。
そしておもむろにリュクサックからマスクを取り出すと足早に村を後にした。

「この村の住民は知らないのだ。市街地を中心に比較的、情報媒体を鵜呑みにしがちな低所得層のスラムを中心に鳥を媒体とするウィルスと、鳥に対し尊敬の念を持ってしまう一種の催眠術が広がっていることを…。この盛り上がりようから時間の経過を逆算すると、もう手遅れだ。国家の中央大学ですら権威を失っているというに…。」


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