お前らが、俺の行く先で死にたがる《わけ》はわかった。
無分別でお人よし、常識のない口の軽さが、お前らの死に至るを語ることを期待しての事だ。
数年来、俺は非情にもそのことを罵り続けてきた。
それは、俺がまだ、まんまと社会に溶け込めず、けれど社会に左右され続けていた苛立ちのなせる技。
今は、もう、お前らの要求は飲み込めた。
お前らは無責任にもこのまぐれ者の奇妙なアブラムシに、社会への抗議を代弁させようとしているのだ。
わかった。
語ってやろう。
どんな具合に列車にぶち当たり、どんな具合に身体がありえない形にねじれ、どれくらい痛かったのか…。
どれくらい社会の重圧がお前らを襲いかかり、悲鳴をあげながら損壊したか…。
されど、俺には確固たる資料はその四散した身体の肉片のみであり、俺は可能であればそれをつぶさに記録し世に問うてみたい。
お前らがどうして俺を選んだのかよくわかっている。
お人好しにして、メシア気取りの《うつけもの》。
見当違いな側溝の爪の垢を、俺は世に問うだろう。
かつてお前らが、この世に《人》として大地を踏み鳴らし、されどその幸福を享受できなかったということを。
遠慮なくぶちまける馬鹿者はこの俺だ。
俺がわめかなければ、お前らはただ道を塞いだ塵芥のように吐き出され、忘れ去られるからだ。
歌おう。お前らが体を張って表現した社会の《暴力》を。